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2024.09.18 (Wed)
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広島の球場跡地 まず「広場」の具体像を

 旧広島市民球場の跡地に、どうやってにぎわいを取り戻すか。市の検討作業が中断状態になっている。市の案に地元商店街などが異論を唱え、市議会も関連の予算を認めなかったからだ。
 ただ双方の考えは、水と油ほどは離れていない。それなりの努力によって、着地点は視野に入ってくるはずだ。市中心部の貴重な一等地である。ずるずると結論を先延ばしにしてはいけない。
 跡地の活用には幾つかの前提がある。まず都市公園法による制限を受ける。次に球場以上の集客、つまり年間百五十万人を超えるにぎわいの確保。そして民間による整備と運営である。
 それを踏まえて市が提示したのは、大部分を「市民広場」とし、その奥に「折り鶴ホール」を、東側に、広島商工会議所の新ビルや劇場をまとめるプランだ。
 公募による民間事業者の二案を折衷し、さらに商議所の案を加味して描かれたデッサンである。
 「広場」については、市と、反対の人たちの考えは基本的に同じといえよう。都市公園法によって大型商業施設は難しい。しかしイベントがしやすい広場にして「行けば何かやっている」と市民がわくわくするような空間にすれば、にぎわいはおのずから生み出される、との考えだ。
 隔たりがあるのは「折り鶴ホール」である。プランでは、内外から寄せられた折り鶴一年分を展示し、量を実感してもらう。平和に尽くした人々の顕彰もする。新設のNPO法人が寄付を募り、建物を整備するという。
 これに対し「なぜ、ここに大量の折り鶴か」と納得できないのが反対の人たちである。
 「原爆の像」そばには専用置き場があり、わざわざ離れた場所まで足を運ぶ人がいるだろうか。復興のシンボルだった球場の跡地なら、もっと動的で市民のエネルギーを感じさせる空間にすべきで、折り鶴の静的なイメージはそぐわない。反対がある中で寄付を募るのも現実的ではなかろう…。こんな意見に集約される。
 反対の人たちがフラワーフェスティバル会場で行ったアンケートでは「規模縮小」の声が多く、中国新聞のウェブ調査では「不必要」が多数だった。市の言う理由が、多くの市民の心にすとんと落ちてこないからだろう。なかなか理解が得られないなら、無理押しすべきであるまい。
 市と反対団体は、とりあえず「広場」部分のにぎわいのイメージを出しあったらどうか。市民の関心は高い。野外コンサートやマーケットなど具体的な像を示せば「ほかにもこんなことが」と新たな発想も寄せられるだろう。
 一致できる部分から双方が歩み寄る。そこから事業を前に進めようとする力が生まれないか。その過程で、折り鶴ホールについてももう一度すり合わせをしようとの機運が芽生えてくることを期待する。流れが見えてくると、一部予算を否決した議会も新たな対応を迫られるはずだ。


(中国新聞社説 2009年5月18日)
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200905180200.html
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2009.05.18 (Mon)
Category[市民球場跡地]
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