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プロ野球広島東洋カープが51年間にわたって本拠地とした広島市民球場(広島市)が3月に幕を閉じる。跡地は年間100万人以上が訪れる市中心街の一等地だ。市は道を挟んだ原爆ドームと調和の取れた整備案を提示。市民からは「戦後復興のシンボル」である球場を残してほしいとの声も寄せられ、今月中に示される市の最終案に注目が集まる。
市は当初、球場を解体して跡地を二つのゾーンに分けて整備する案を示した。西側は公園を造って原爆ドーム周辺と調和の取れた空間に、東側は国内外から市に届く「折り鶴」を保存展示する場を設けるとした。
周辺商店街が加盟する中央部商店街振興組合で青年部会長を務める若狭利康さん(52)は「市民球場は広島の戦後復興の象徴。そこには心理的な高揚感があった」と話す。球場周辺のにぎわいがなくなることに懸念を隠さない。
広島市が昨年12月末を目標としていた広島市民球場(中区)跡地の利用計画の策定が今月にずれ込んだ。土地を管理する中国財務局や隣接する広島商工会議所などとの調整が間に合わなかった。市は今月中には市議会に計画案を示し、新年度の一般会計当初予算案に設計費などを盛り込みたいという。
市の説明によると、隣接地に立つ広島商工会議所のビルは跡地に想定する「にぎわい」ゾーンへの移転を検討しているが、国有地である現球場用地を民有地にする手法などについての協議にさらに時間がかかるという。
現球場の跡地利用をめぐっては、市は公募で優秀2案を選定。その後、商工会議所からビル移転に応じるとの提案を受けた。市は商議所の提案も踏まえ、「にぎわい」「緑地」の2つのゾーンを設ける整備基本方針を9月に策定。具体的な利用計画の検討作業を進めている。
広島市、跡地に活用方針
▽改修やカープ育成 積み立て半世紀
来年3月に半世紀余りの歴史を終える広島市民球場(中区)が、10億円を超す「遺産」を残す。球場の改修と広島東洋カープの育成強化を目的に積み立てられてきた市民球場基金だ。球場が閉鎖されれば基金条例も廃止されるため、市は使い道の検討を始めた。
市民球場は1957年、広島初のナイター球場として誕生した。基金の前身である積立金が設けられたのは三年後。球場の光が、被爆地の復興の象徴だった時代だ。64四年、前年の地方自治法改正を受けて基金になった。
条例では「カープ育成強化のため必要と認める場合に支出できる」と明記した。草創期に「貧乏」とやゆされた球団を、支える大切な貯金だった。
積立額は、カープの球場使用料を主な財源にする特別会計の剰余金に加え、観客数で決まる仕組み。有料入場者が2万1000人を超えた試合数を基に、カープが追加使用料を払う。基金はスコアボードの改修や大型ビジョン新設に使われ、応援の熱気を生み出す役割を果たしてきた。
市民球場ファイナルイヤーの今年、カープが主催した66試合(他球場を除く)の観客数は約131万8000人に達し、歴代2位を記録。追加使用料の対象は24試合となり、カープは約6500万円を払った。
特別会計の剰余金約1400万円と合わせ、基金残高は、現段階で約9億5000万円になる見込み。さらに3月末には、食堂・売店収益と広告表示料のそれぞれ一部をカープが払う。市が想定する額は1億数千万円。広島市市民球場管理事務所は「11億円を超す可能性もある」とみる。
市都市活性化局は、使い道について「跡地利用計画で活用を考える」(浜本康男局長)との方針。国から球場敷地の99%以上を無償で借りている中で生じた基金であり、現在地から移転する新広島市民球場(南区)への転用は原則ないという。
10億円は、野球の殿堂が半世紀余りをかけて残す遺産。それを支えたのはカープを愛し、球場で声をからした市民にほかならない。(武内宏介)
財務局などと調整に時間
広島市は二十四日、年内を目標としていた広島市民球場(中区)跡地の利用計画の策定が一月にずれ込むと発表した。土地を管理する中国財務局や隣接する広島商工会議所などとの調整が間に合わなかった。一月中には市議会に計画案を示し、来年度の一般会計当初予算案に設計費などを盛り込みたいという。
市の説明によると、隣接地に立つ広島商工会議所のビルは跡地に想定する「にぎわい」ゾーンへの移転を検討しているが、国有地である現球場用地を民有地にする手法などについての協議にさらに時間がかかるという。
現球場の跡地利用をめぐっては、市は公募で優秀二案を選定。その後、商工会議所からビル移転に応じるとの提案を受けた。市は商議所の提案も踏まえ、「にぎわい」「緑地」の二つのゾーンを設ける整備基本方針を九月に策定。具体的な利用計画の検討作業を進めている。市民団体などからは、現球場の保存を求める意見も寄せられている。(東海右佐衛門直柄)
跡地一体活用図る
来春に五十二年の歴史を閉じる広島市民球場(中区)の跡地利用計画を検討している同市が、球場隣接地に教会を所有するPL教団(大阪)と、駐車場を持つ広島護国神社に、土地売却や施設移転を打診していることが五日、分かった。すぐ西側を流れる本川の水辺空間との一体的な跡地活用を図る狙いとみられ、地権者が合意すれば跡地問題は大きく前に進む。
広島護国神社によると、駐車場(千四百三十七平方メートル)について九月、市から協力依頼があった。十月末に臨時の役員会議を開き、売却や土地交換、長期貸与などのいずれかの方法で協力する方針を固めたという。
千七十四平方メートルの用地を保有し、広島中央教会を置くPL教団にも十月初旬、「移転を含めて協力を」と市から依頼があったという。教団不動産課は「今は白紙の状態。条件提案を待ち、会員の意向を踏まえて立ち退きを含めて協議に応じたい」としている。
市は新球場(南区)の建設に伴い、現球場の跡地三・二ヘクタールの利用計画を策定中。整備基本方針によると、繁華街に近い跡地東側を「にぎわい」、本川に近い西側を「緑地」と位置付けている。
同じく球場西側にビルを持つ広島商工会議所は既に市に移転を提案しており、隣接する三つの民有地でそろって移転か売却が実現すれば、基本方針に沿った一体的な跡地利用に弾みがつきそうだ。
市都市活性化局は「土地所有者と協議を進めている段階。具体的な内容はコメントできない」としている。(東海右佐衛門直柄)